界面活性剤と表面張力について

学習記録

けん化について学習したので関連する英文資料を読んでいたところ、
界面活性剤が消火剤に使われているという記述を見ました。
「なぜ界面活性剤が消火剤に使われるのか?」という疑問から、
界面活性剤と表面張力のことを調べてまとめました。

界面活性剤と表面張力の関係

界面活性剤は親水性の部分と疎水性の部分をもち、下図のようにミセルを作って油汚れを分散させるため洗剤に使われているということは学習しました。

出典:https://study-z.net/100088018/2

今回はミセルではなく、水の表面の部分に注目します。
界面活性剤が水の表面で疎水基を上に向けて整列していますね。ここがポイントになります。

まず界面活性剤を入れない水だけの状態を考えてみます。
水分子間には水素結合が働きお互いに引き合っていますが、表面の水分子にはその外側に水分子がいないため、水の内部に引っぱられる力が大きくなり、強い表面張力が生じます。

出典:https://www.cybernet.co.jp/ansys/learning/glossary/hyoumenchouryoku/

ところが界面活性剤を入れると表面に界面活性剤の列ができて邪魔をするので水の表面張力は低下します。

消火剤の場合


消火剤の場合はこの性質を利用して、消火剤の泡に界面活性剤を入れることで泡の面積が広がり、浸透しやすくなるようにしているのです。

出典:https://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/goodlifeaward/report201905-syabondama.html

農薬への応用

界面活性剤と表面張力の関係に着目した技術は他にもあります。

例えば、農薬への応用があります。
キャベツなど葉の表面が水をはじきやすい野菜の場合、農薬を水に溶かした薬液だとはじかれてしまいますが、界面活性剤が表面張力を低下させ物質の表面で広がる力を応用し、野菜の葉の表面に付着しやすくなります。

出典:https://www.kao.com/jp/kaonokao/dna/3_1/

これは花王の技術の例ですが、洗剤で有名な花王と一見無関係なような農業分野がこのような形でつながっていたのですね。

インクやコーティング剤への応用

他の例も考えてみます。
何か塗布したいものがあるときにそれが物質の表面で広がってくれた方が効率がいいですね。

インクやコーティング剤も界面活性剤を利用して表面張力を抑えることで効率よく塗布することができます。

界面活性剤は洗剤としてだけでなく、様々な分野に応用されているのですね。

4/26(金) 学習時間:2.75H
・岡野の化学(37)
・けん化について英語の資料を読む
・せっけんの消火剤への利用について
・SS結合のパーマ剤への利用について
課題)
生体内におけるSS結合の仕組みと工業利用を比較してまとめる
文献を読んでいて硫黄のラジカル反応があるというのを知った→以前ラジカル反応を調べてからきちんとまとめられていないので整理する

その他)
epwingの英英辞書をダウンロードした
ブラウザのブックマークのバックアップを取っていなかったのでとるようにした

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