以前アルケンへの臭素分子の付加反応について、二重結合のπ結合部分が臭素分子を分極させ反応するということを学習しました。
その時「三重結合のアルキンもπ結合をもっているから臭素分子と同様に付加反応をするのかな」と予想してアセチレンと臭素分子の反応式を調べたところなかなか見つからず困っていましたが、
どうやら「三重結合のπ結合と臭素分子の反応は起こりにくい」というのが答えだったようです。
先日から読んでいたカリフォルニア大学の講義資料(P.16)に偶然以下の記述を見つけました。
アルキンのπ結合はアルケンのπ結合より強く結びついていて、アルケンの反応機構に登場するようなブロモニウムイオンの中間体を作らないということです。
アルキンとアルケンのπ結合の違いについて、より詳しくまとめられている論文も見つけました。
三重結合の方がπ電子の密度が高いので電子供与性がより大きいような気がしてしまいますが、実はそうではないのですね。
二重結合の場合:
C原子間ではSP2混成軌道ができ、π電子はC原子間で上下に広がり不均一になりやすく、そのため電子供与性をもち、ハロゲンなどの求電子剤と反応しやすい。
三重結合の場合:
C原子間にSP混成軌道ができ、SP混成軌道はSP2混成軌道よりもS軌道の割合が大きいため、π電子はC原子間の中心に固定化する。そのためC原子はむしろ求電子性を持ち、ハロゲンなどの求電子剤とは反応しにくいが、アルコールや水などの求核剤と反応しやすい。
4/20(土)学習時間:8.75H
・岡野の化学(22)~(25)
・二重結合と三重結合の反応性の違いについて
・Br以外のハロニウムイオンの安定性について→調べたがなかなか資料が見つからない
課題)
・アルコールについて調べていたところ「転移反応」というものがあると知る
→転移反応について調べる
・ラジカル反応について調べたところをまとめる
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