半導体の微細化とはどの大きさを基準に考えているのかという点について調べていたところ、トランジスタのゲート長を指している(ゲートの形状も様々なものが登場したので一概にそうとは言えないようですが)ということが分かりましたが、そもそもトランジスタがどういうものなのか、どのような種類があるのか、ということが分かっていなかったのでその点を調べているところです。
トランジスタは1947年にベル研究所で発明されました。
トランジスタの機能は2つあります。
①入力された電気信号を大きくして出力する機能(増幅)
②電気を流したり止めたりするOn/OFF機能(スイッチング)
トランジスタが開発される前は真空管がこのような役割を担っていました。
1930年代のアメリカでは長距離電話の通信網を作ろうとしており、距離が遠くなるにつれて音声信号が衰退していくため、真空管によって音声信号を増幅していました。
しかし真空管は熱を用いるため劣化しやすく、小型化も難しいという課題がありました。その点を解消するものとして発明されたのがトランジスタです。
トランジスタを多く集積できるほど半導体デバイスの性能は上がることになるため、トランジスタの小型化が進められてきました。
ゲートは電流のスイッチ部分にあたり、ゲート長はスイッチの長さと言えます。
ゲート長を短くすることによってトランジスタ自体の大きさも小さくできますし、電子が回路を早く流れることになるため高速化が可能になります。
トランジスタの種類と動作原理について考える前提として、pn接合面で何がおこるかということを理解しておく必要があります。
p型半導体とn型半導体の接合面において、正孔と電子の2種類のキャリアの濃度が異なるため、均一になるようにそれぞれが接合面に向かって拡散していきます。
接合面で正孔と電子は出会って再結合し、キャリアとなる正孔と自由電子は消滅し、空乏層と呼ばれるキャリアのない部分ができます。
外部電圧がなければある程度空乏層ができたところで、p型半導体とn型半導体の電位差による力と拡散による力とが平衡状態になります。この時のp型半導体とn型半導体の電位差を内蔵電位と言います。
ここで外部電圧を加えた場合どうなるでしょうか。
順バイアスの場合:
p型半導体に正極をつなぎ、n型半導体に負極をつないだ場合を順バイアスといいます。
この場合、n型半導体の方には電子が、p型半導体には正孔が注入されることになります。そうするとn型半導体では電子が過剰に、p型半導体では正孔が過剰になり、再び拡散現象が起きてそれぞれのキャリアは相手方の半導体の方に入りこもうとし、そのため空乏層が縮小します。
逆バイアスの場合:
今度は反対に、p型半導体に負極をつなぎ、n型半導体に正極をつないだ逆バイアスの場合を考えます。
この場合は外部電極から供給される電子の方へ向かってp型半導体内のホールが移動し、逆にn型半導体内の電子は外部から供給されるホールに向かって移動するため、pn接合部に空乏層ができ、電流が流れません。
理解できていないところ:
・拡散による力と電位差による力がつり合うということだが、この2つが同じ次元で議論できるのはなぜか。
・n型半導体の方が電子を多く持っているのにn型半導体の方が電位が高いというのはなぜか。この場合はエネルギー準位が高い方が電位が高いということなのか。正の電荷が高い位置と決まっているわけではないのだろうか。
・順バイアス・逆バイアスにおいてp側のフェルミレベルが変化するのはなぜか。
・順バイアス時は電圧を印加しない場合と同じく電子とホールがそれぞれ接合部に向かって移動するのに再結合が起こらず電流が流れるのはなぜか。
6/26(水)学習時間:7.75H
・岡野の化学(140)
・pn接合について
・バイポーラトランジスタとFETの動作原理について
課題)
・トランジスタのゲートの形の変遷について調べる
その他
・3132 学習の振り返り方法
あと10日ほどで受講開始から3か月経つので振り返りをする。
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