半導体ヘテロ接合と電子親和力

先日から答えが出ていなかった半導体ヘテロ接合材料と電子親和力の関係ですが、ようやく結びついてきました。

最初は電子親和力がイオン化、イオン結晶との関係で出てくるのかなと考えて調べていましたが、どうも違うようです。

そこで素直に「半導体 ヘテロ接合 電子親和力」で検索したところ、以下の資料が見つかりました。「ヘテロ界面とバンド不連続」

ヘテロ接合で重要なのは、2つの異なる半導体を接合しているため、エネルギーバンドに違いがあるという点です。
接合面での2つの半導体のエネルギー準位の差をバンドオフセットといいます。

バンドオフセットには伝導帯下端のエネルギー差を指す伝導帯オフセットと価電子帯の上端のエネルギー差を指す価電子帯オフセットがありますが、伝導帯オフセットは電子親和力によって決まります。

半導体において電子親和力は伝導帯の下端と真空準位とのエネルギーの差とされます。

真空準位とは電子が運動エネルギーがゼロの状態で真空中に存在するときのエネルギー準位です。
まだ物理の基礎が抜けているので真空準位で運動エネルギーがゼロであるという定義があまりピンと来ていませんが、電子親和力はその原子が孤立して周りから影響を受けない状態を想定しているのだということは岡野の化学で学習しました。

真空準位よりもある半導体の伝導帯のエネルギー準位が低い場合は、電子は外に出ているよりもその半導体の伝導帯の軌道に入っている方が安定します。

反対に伝導帯のエネルギー準位の方が真空準位よりも高い場合は、電子は外に出ている方が安定します。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/oubutsu1932/66/3/66_3_235/_pdf/-char/ja

このことは自由電子がその半導体の伝導帯にとどまりやすいか、接合されたもう一方の半導体の伝導帯に流れ込みやすいか、という点につながります。
価電子帯のホールの存在も電流に関係しますが、伝導帯の中を移動する自由電子の存在は電流を生み出す主な要因となるため、ヘテロ接合体において2つの半導体の電子親和力の差を考えることが重要になると言えそうです。

5/28(火)学習時間:7.5H
・岡野の化学(98)
・1432 CVDプロセスについて
課題)
・結晶関係の特許明細書を探して読んでみる
・結晶についての資料をいくつか印刷したので通勤時間などで読む

その他
・今日は求人情報集めに時間を割くことにします

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うずら
〈レバレッジ特許翻訳講座16期生〉 翻訳とは無関係の会社員生活を送っていたが、30歳になったのを機に「これが最後の進路選択のチャンス」と考え直し、文系出身・翻訳未経験から特許翻訳者への険しい道を進むことを決意。