光応答界面活性剤の解乳化作用に関する特許

最近は界面活性剤に興味があり、応用できる分野の広さと、英→日の翻訳からスタートすることを考えたときに米国企業が強いという点で需要もありそうなので、岡野の化学と並行して少しずつ関連する情報を集めています。

その中で以前の投稿で取り上げた「アゾベンゼンの光異性化」を利用した界面活性剤による解乳化効果についての特許明細書が特許庁のデータベースにあったので読んでみました。

解乳化とは

「解乳化」とは、乳化の逆の作用で、エマルションになっている状態のものを2種類の液体の相に分離することを言います。
主に石油回収において石油と水のエマルションを分離するために使われています。

今回読んだ特許明細書の概要

親水基部分がスペーサーと呼ばれる部分を介してつながったジェミニ型界面活性剤というものがあります。

https://www.rs.noda.tus.ac.jp/~abemasa/about_our_lab/kennkyuu/Dezain/D_a/D_a_1/D_a_1.html

このスペーサー部分にアゾベンゼン基を含む界面活性剤を使い、水と石油(明細の中では石油に含まれるオクタンを取り上げていました)のエマルションを作ります。

このエマルションに紫外線を当てることでジェミニ型界面活性剤の構造がトランス型からシス型に変化します。
そうすると油滴を覆っていた界面活性剤分子の大きさが小さくなり、水と油が直接触れる部分が増えて、解乳化が起こります。

https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-15K17847/15K17847seika.pdf

石油回収においては解乳化剤を添加することで解乳化を行う方法がありますが、もとの物質を変質させてしまうという問題があるため、それに代わる方法としての提案のようです。

課題についての考察

今回読んだ特許明細書は10年ほど前のもので特許としては無効の状態でした。
また石油回収の解乳化にこの考え方を使っているような特許は他に見つかりませんでした。

石油回収における解乳化の方法を調べてみると、企業で一般的に使われているのは遠心分離による方法のようです。
この場合には特に解乳化剤などを加える必要がないので、今回見た特許明細の主眼とする解乳化剤の添加の問題とはうまくつながらなかったのかなと思いました。

特許明細書を読んでみての課題

今の知識と特許明細書との距離がどれくらいあるかを確認できました。
光応答化のメカニズムについては以前に調べて知識があったので概要は分かりましたが、実験や分析の手法は読んでもイメージが沸かないところも多く、「クラフト点」など未知の用語もありました。
分野の用語については入門書の索引のリストをもとに調べて知識をつけていきたいと思います。
実験や分析のところは関連する実験の動画などがないか探して見るようにしてみます。
岡野の化学と並行して他の関連する特許も少しずつ見てみます。

5/7(火)学習時間:5.5H
・岡野の化学(65)
・光応答界面活性剤の特許を読んでみた
課題)
今までの内容に比べて糖類のところがあまり頭に入ってこないので多糖類の構造をたくさん書いてみる

その他
・知子の情報、秀丸関連のビデオ視聴
・お金に関する書籍を買って読み始めた
知子の情報に入れている用語もこのままだとGoogle検索で調べるのと変わらない状態になってしまっているのでどのように整理の仕方を考える。
保険のことや教育費のことなど全然計画がなかったと反省。子供が1人の場合、2人の場合、私立に行った場合、などシミュレーションしてノートに書き出すようにする。

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うずら
〈レバレッジ特許翻訳講座16期生〉 翻訳とは無関係の会社員生活を送っていたが、30歳になったのを機に「これが最後の進路選択のチャンス」と考え直し、文系出身・翻訳未経験から特許翻訳者への険しい道を進むことを決意。