岡野の化学でフェノール樹脂について勉強しました。
フェノール樹脂の性質である「難燃性」について調べていったところ、フッ素樹脂が燃えにくい理由についてわかりましたのでまとめます。
そもそも燃焼とは
「難燃性」が「燃えにくい」ということなのはわかりますが、そもそも燃焼とは何なのかといわれると意外にしっかり答えられませんでした。
何かが燃えるには次の3つの要素が必要です。
つまり、酸素がなければ燃えません。そこで、高分子の燃えやすさを表すのに「酸素指数」というものが使われています。
酸素指数
「酸素指数」とは、材料が燃焼を持続するのに必要な最低酸素濃度(容量%)です。
可燃性とそれ以外を分ける基準となっているのは大気中の酸素濃度の21%です。
酸素指数がそれ以上高い、つまり、大気中にあるよりもっと多くの酸素が燃焼に必要になる場合は燃えにくい、と言えます。
高分子化合物の燃えやすさは酸素指数により下の表のように、可燃性、自己消火性、難燃性、不燃性に分けられます。
フェノール樹脂はこの表には載っていませんがこちらの論文に29%と載っていましたので、確かに難燃性に分類されます。
テフロンが不燃性である理由
酸素指数と難燃性区分の表を見るとひとつだけ不燃性のものがあります。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、テフロンの名前で知られているフッ素樹脂です。
なぜPTFEは不燃性なのか考えてみます。
PTFEは次の構造式で表されます。
燃焼反応の例として簡単なメタンを思い出してみると
CH4+2O2→CO2+2H2O でした。
これをもとに考えてみると、PTFEが燃焼するにはC-Fの結合を切ってCO2にしないといけませんが、このときのC-F結合の結合エネルギーの強さが問題になります。
化学便覧を見ると、
C-Hの結合エネルギーが410.5kJ/mol-1であるのに対し、
C-Fの結合エネルギーは472kJ/mol-1と大きくなっています。
C-F結合が強い理由には、Fの電気陰性度の強さと原子半径の小ささが関係します。
Fの電気陰性度は強いのでFはCとの共有電子対を自分の方に強く引っ張ります。
こう考えるとCとFで分極が起きてしまいそうな気がしたのですが、Fの原子半径はとても小さいため電子が動けるスペースが少なく、むしろ分極は小さくなります。
このようにC-F結合が強く結びついているため、結合が切れにくく、不燃性となります。
この他、フッ素樹脂に撥水性・撥油性があるということもわかりました。
これはテフロン加工のフライパンなど使っていて感覚的にわかりますが、理由についてはまだ調べ切れていません。
表面張力が関係するということまでは分かりましたが、油自体の表面張力が低いのにそれをはじくことができるという点が理解できていないのでもう少し調べます。
またレジスト材料への応用などフッ素樹脂の使われている範囲は広いので、アンテナを張っておいて少しずつ情報を増やしていきたいと思います。
5/4(土)学習時間:13.5H
・岡野の化学(54)~(59)
・C-F結合について
・重合についての英語の大学講義資料を読む
・高分子化合物についてマインドマップの作成
課題)
・フッ素樹脂が撥水性・撥油性をもつ理由について説明できるようにする
・自分が深堀りしていることが特許明細を読むのに役立つことかどうかを意識する
→ある程度調べたら特許庁DBで検索してどのように使われているか確認する
その他
・3439 いつまでにいくら稼ぐか
・4632 翻訳学習の出口は稼ぐこと
・3552 講座の出口戦略
マネタイズを意識するというのが課題なので関連のビデオをいくつか見た
→今置かれている状況が突然変わるかもしれないという危機感のなさ、老後必要な貯金についての見積もりの甘さを反省。「出口は稼ぐこと!」と付箋に書いて目に入るところに貼った
講座で紹介されていたお金に関する本を注文した
→1日15分と時間を決めて読んで、いつまでにいくら必要か考えてノートに書き出していく
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