岡野の化学(99)で結晶の充填率について学習しました。
まだ色々と調べ途中ですが少しだけ考えたことと調べたことをまとめます。
単位格子で考えると球体の体積を求める計算とそれぞれの原子のイオン半径を使って、その結晶の中に原子がどれくらいの体積を占めているかという充填率が計算できるようになるということでした。
充填率を計算するということは、技術的には高充填率にする目的であれこれ改良するのかなと想像しましたが、充填率が高いとどんなメリットがあるのでしょうか。
充填率が高いということは、結晶を構成する原子あるいは分子同士の距離が近いということになります。
そうすると以下のような性質が生まれます。
①原子・分子同士の結合の力が強くなる ⇒機械強度の向上
②原子・分子同士の接触が増えて熱エネルギーが伝わりやすくなる ⇒熱伝導性の向上
③自由電子が効率的に移動できる ⇒電気伝導性の向上
④物質内部に腐食性物質が入り込みにくくなる ⇒耐食性の向上
これらの性質は金属に多くあてはまるので金属は高充填率のものが多いのかなと想像しましたがやはりそのようです。
金属結晶の多くは六方最密充填、面心立方格子、体心立方格子であり、充填率の低い単純立方格子の構造で存在する金属は常圧下ではポロニウムのみだそうです。
一方、金属結晶には空孔など欠陥ができやすいという問題もあります。
なぜ金属結晶には欠陥ができやすいのか、というのは金属の特徴である自由電子が関係するのかなと予想していますがまだ調べられていません。
結晶の成長の仕方とあわせて追加で調べます。
高充填率のメリットを見てきましたが、逆に充填率が低いことを利用した技術もあるのではないかと思いました。
そこで特許庁DBで「低充填率」というキーワードで調べると活性炭素繊維シートを使ったガス浄化装置の特許が見つかりました。
これは結晶の充填率の話ではありませんが、活性炭素繊維シートが低充填率であることを利用したものです。
充填率が低いということは原子・分子同士の間に隙間が多く、多孔性の構造になっていることになります。これによって外部の物質と反応する表面積が増え、ガスを効率良く吸着できるようになります。
充填率に限らず、ある場合には高い方がよく、別の場合には低い方がよい、ということがあると思うので特許明細書を読む際には決めつけずに両方の可能性を考えてみるようにします。
5/30(木)学習時間:6H
・岡野の化学(99)
・高充填率の場合の利点、活性炭素繊維シートの特許明細の概要確認
課題)
・昨日読もうとした結晶パターンについての特許は全然読み進められなかったので結晶成長法など背景知識をもう少し調べてから読む。
・参照した特許明細について、今はいったんPCの階層の中に「読んだ」「読めた」「読めなかった」などフォルダを作って入れているだけになっているので、知子の情報・Excelで何月何日どこまで読んだ、どのくらい読めた・読めなかったという管理表を作成する。
その他
・プリンタのトナーが切れそうになり慌てて注文。反省して2個買い、必ず1個予備を置いておくことにした。
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