露光装置の変遷

昨日からEUVリソグラフィ関係の特許を読み始めました。
といってもまだ背景知識が全然ないので、AIに特許の中で使われている用語を頻度順に抽出させて、その用語の意味を捉えてから内容に入ることにします。

まずEUVリソグラフィとはどういうものでしょうか?

EUVは極端紫外線と呼ばれ、波長は13.5nmほどです。
紫外線は可視光線よりも波長が短く、X線よりも波長が長い、10~400nmの波長の電磁波を指しますが、一般的な地上環境での紫外線波長は100~400nmなのでそれよりもかなり短い波長になります。

このEUVを露光装置の光源に用いたリソグラフィ技術がEUVリソグラフィです。

短い波長にすることにより更に微細な加工ができるようになることから、露光技術は時代とともに、下図のように、より短い波長へと変遷してきました。

https://www.tok-pr.com/products/photoresist.html

このように短波長化による微細加工が進んだ背景には、その時代における製品の需要が関係しています。
家庭用ゲーム機、パソコン、携帯電話が普及した1980年代~90年代にはg線やi線が使われるようになり、さらに薄型のノートPCが普及した2000年代にはKrF線、スマートフォンが普及した2010年代にはArF線、そして2020年代になりIoT技術や5G通信への対応によるさらなる微細加工技術への需要からEUVが本格的に使われ始めました。

https://www.tok-pr.com/tech/iline-photoresist.html

そして、露光装置の光源が変化すればそれとともに使用されるレジスト材料や、フォトマスク、レンズなどの光学材料にも変化が求められます。

今回読もうとしている特許は、このような背景の中で、EUVに適した光学部材としてTiO2を含んだシリカガラスの素材を提供するというものです。

レジストにネガ型レジスト、ポジ型レジスト、化学増幅型レジストという種類があることは前にも少し勉強しましたが、しくみを理解するのに精一杯で、どういった背景のもとに生まれてきたかという点に注意が向いていませんでした。

岡野の化学で酸・塩基の概念を勉強したときにもそれぞれの定義がどのようにして生まれてきたかという歴史を理解することが大事だというを学びましたが、技術の進歩を理解するところにつながっていくお話だったのだな、ということが今回調べていてしっくりきました。

いきなり新しい技術の特許から始めてしまいましたが、これまでの技術も調べてどんな点が変わったかを意識しながら読むようにします。

また上記の微細化について調べたところEUVでは7nm以下の微細加工ということが分かりましたが、どこの長さを基準にしているのかという点についてはまた調べてまとめたいと思います。

6/23(日)学習時間:12.25H
・岡野の化学(135)~(138)
・界面破壊、凝集破壊、被着材破壊について
・脈流について
・EUVの開発背景について
・EUV関係の主要メーカーについてマインドマップを作成

課題)
・UMLの説明資料を読んで特徴をつかみ、特許明細書の情報整理に使ってみる
・EUVリソグラフィに関する特許の続き(未知語の確認)
・EUV関係の主要メーカーについてマインドマップを作成したので、その企業が進出している分野を参考にして、リソグラフィ関係の次に読む分野を考える。

その他
・0620 辞書・辞典の正しい使い方
・3040 受講生ブログへのコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
うずら
〈レバレッジ特許翻訳講座16期生〉 翻訳とは無関係の会社員生活を送っていたが、30歳になったのを機に「これが最後の進路選択のチャンス」と考え直し、文系出身・翻訳未経験から特許翻訳者への険しい道を進むことを決意。