岡野の化学で結晶には単結晶と多結晶があるということを学習したので追加で調べました。
単結晶と多結晶の違い
単結晶は単一の結晶が大きく成長したもので、結晶方位(結晶をつくる原子や分子の配列の向き)は同じです。
多結晶は単結晶が多数集まってできたもので、それぞれの結晶粒の隣接する界面には結晶粒界とよばれる原子や分子の配列が乱れた部分ができます。
異なる単結晶が組み合わさっているため、結晶粒界で結晶方位が変わります。
光学的特性
単結晶と多結晶では透明度が異なります。
単結晶は不純物が入りにくく結晶方位が一定であるため、光がまっすぐ通過して透明度が高くなります。
一方で多結晶は粒界に不純物が入り込みやすく、光が不純物にぶつかってまっすぐ通過できないことがあります。また不純物にぶつからなかったとしても粒界で結晶方位が変わるため光の屈折率が変わり散乱します。
このため多結晶は透明度が高くありません。
このような光学的特性(光の吸収、反射、透過、散乱、屈折、偏光などの現象に関する性質)の違いにより、カメラレンズや照明などの材料として使われるときには単結晶が好まれます。
光学的特性の光の吸収、反射、透過、散乱、屈折、偏光についてはそれぞれ調べてノートにまとめます。
レンズや照明に関して単結晶というキーワードが使われている特許がいくつか見つかったので読んでみます。
電気的特性
単結晶は結晶粒界がなく不純物が入りにくいため、多結晶に比べ電気的特性(材料に電場や電流を印加した際に示す性質。絶縁性、誘電性、帯電性など。)が均一になります。
多結晶を使うと結晶ごとに電気的特性が異なるため、同じような電気的特性をもった製品を数多く生産することが難しくなります。
そのため、均一で高性能な素材を作るために半導体製造などでは単結晶がよく用いられるようです。
ただし欠陥の少ない単結晶を作るにはゆっくり時間をかけて結晶を成長させる必要があり、作業時間とコストの面で課題があるため、必ずしも単結晶ばかりが使われるわけではないようです。
特許明細書を検索してみたところ、「単結晶半導体」と「多結晶半導体」はどちらも多数出てきました。
多結晶半導体としては「多結晶シリコン」のキーワードが多くヒットしました。
さらにシリコンには単結晶シリコンと多結晶シリコンのどちらもあるようなので使い分けを調べます。
多結晶と非単結晶
特許明細書で単結晶と多結晶がどのように使われているか参照していたところ、「非単結晶」という言葉も見つかりました。
はじめは多結晶の別の言い方なのかと思いましたが、同じ特許明細書の中で多結晶と非単結晶が出てきていたのでイコールではないようです。
「非単結晶半導体層(ここでは、非晶質シリコン層とする)」という書き方をしているものもありましたが、非結晶と非単結晶が同じ明細書の中で両方使われている場合もありました。
調べてみてもはっきりした定義がよくわかりませんが、
単結晶ではないということで、アモルファスも多結晶も含む広い概念として非単結晶という言葉が使われているのではないかと思います。
個別の明細書を見ながら使われ方を確認するように課題として知子の情報に入れました。
5/31(金)学習時間:6.25H
・結晶の欠陥について
・分子線エピタキシー法と真空蒸着の違いについて
・真空度と圧力の関係(なぜ真空度が圧力の単位で表されるのか)、真空の種類について
課題)
・単結晶と光学レンズのキーワードで見つかった特許を読む
・電気的特性(絶縁性、誘電性、帯電性)について調べる
・光学的特性(光の吸収、反射、透過、散乱、屈折、偏光)について調べる
・単結晶シリコンと多結晶シリコンの性質の違い、用途について調べる
その他
・4654 受講2年の総括
やはり早めの行動が大事。あの時早くやっておけば、と思うことがないように、自分では少し早いと思うぐらいのペースで挑戦していく。
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