トライアル結果

トライアル結果

またしばらく間が空いてしまいましたが、2024年11月中にトライアル応募した7社の結果が一通り出ましたのでまとめます。

応募した7社中、不合格4社、不明1社、合格2社、という結果です。

  • 1社目:産業翻訳 →書類不合格(返事なし)
  • 2社目:英日・特許・翻訳者 機械分野 →トライアル不合格
  • 3社目:英日・特許・MTPE 機械分野、電気・半導体分野 →トライアル不合格
  • 4社目:英日・特許・翻訳者 化学分野 →トライアル不合格(返事なし)
  • 5社目:英日・特許・翻訳者 →トライアルなし
     現在特許案件が少ないため、案件が来たら依頼と同時に登録するとのこと(遠回しに断られたのか・・?)
  • 6社目:英日・特許・翻訳者 機械、有機化学 →トライアル合格
  • 7社目:英日・特許・翻訳者 半導体関係 →トライアル合格

書類審査の通過率は良かったのですが、肝心のトライアルはというと、
初めのうちは、自分なりにベストを尽くしたつもりだったのにMTPEすら受からないという結果でかなりショックを受けました。

ですがトライアルに挑戦してショックを受けたことで、ようやく何をやらなければいけないかが明確になってきて、直近で受けた2社から先週、ありがたいことに特許翻訳者として合格をいただきました。
なんとかスタートラインに立てました。

一連のトライアル応募で取り組んだことや反省点など、振り返ってみたいと思います。

1社目:書類不合格

実際には書類ではなく、サイトの応募フォームへの入力段階で返事が来ませんでした。
敗因は、応募先企業の調査不足アピール不足だと思います。

そもそも応募先企業は産業翻訳を募集していたのに特許分野のことばかり書いていたり、
半導体データシートの案件が多い会社だったのに製造プロセスのことばかり書いていたり、
全然相手に合わせられていませんでした。

また、サイトのフォームへの入力ということで設けられていた記入項目は少なかったのですが、聞かれたことしか答えないというスタンスだったことも問題でした。
「この人なら仕事を頼めそうだ」と相手に思わせなければいけないのに、聞かれたことしか答えないのでは、アピールできる点があっても全然相手に伝わりません。

以上の点を反省して、
・CV関係の講座ビデオを一通り見て何度もCVを練り直し、
・自分のキャリアを見直して特許翻訳につながるストーリーを考えて、
・応募先企業の扱っている分野に合わせて自分の取り組んできたことをアピールして、
・レイアウトも見やすいように工夫して、
結果、その後の書類通過率はだいぶ良くなりました。

2社目・3社目:トライアル不合格

最初にトライアルを受けた2社は大手の翻訳会社で、ほぼ同時期にトライアルに取り組みました。
1週間ほどの期限で訳文を作って提出するタイプのものです。

最低限のことですが、形式的なことでの指示を守るということはできていたと思います。
課題を受け取ったら、まずは提出期限や提出方法などの指示を印刷してマーキング、後になって慌てないように先に提出用フォルダのファイル名は指定通りに作っておきました。課題受領時、提出時などのメールのやりとりの文面は応募前にあらかじめ作成していました。

課題として感じたのは、まず、スピード不足です。
自分がこれまでにあまり読んでこなかった分野のものだったこともありますが、まず主題を把握して技術内容を調査するのにだいぶ時間がかかりました。

また翻訳作業中も頭からきっちり一文ずつ訳そうとしてさんざん悩んでもたつきました。後を見たらもっと分かりやすく言い換えられている箇所があってすんなり分かったということもあったので、「ここはいったん保留にして後で見直す」と見切りをつけて次に進むというような判断能力も不足していました。

このトライアルでは課題にかかった時間も申請する必要があったのですが、どれくらいの時間で処理することを求められているのか理解できていなかったところも、マイナスだったと思います。

訳文に関して一番の敗因は、請求項の訳し方がなっていなかったことだと思います。
どちらの課題文も複雑な入れ子構造の請求項で、これを正確にわかりやすく訳せるかを見られていたのではないかと思いますが、今自分の訳文を見ると、どこがどこにかかっているのか分かりにくいものになってしまっていました。
今までの学習では、技術内容の理解はもちろん一番大事ですが、それにばかり目がいって、特許の形式的な部分がおろそかになっていました。

上記の反省を受けて、
トライアル提出後から次のトライアルが送られてくるまでの間は、特許特有の表現の訳し方の勉強に注力していました。
翻訳会社の出している記事を読み漁り、請求項の訳し方やaとtheの使い分けなど、特許翻訳の基本的な「お作法」をノートや知子の情報にまとめて整理しながら勉強しました。
また、特許庁DBで国内の大手企業の特許にあたり、入れ子構造をどのように訳しているかを研究しました。

調査時間の短縮という面では、今までも学習中にAIを使っていましたが、質問の仕方を工夫するようにしました。
すでに自分が勉強して中身を理解している特許をAIに読ませて、どのように質問したら一番正確に分かりやすくまとめてくれるか、質問のパターンを変えて試してみて、一番うまくいったものを使うことにしました。

4社目:トライアル不合格

AIを使った課題文への切り込み方が上手く行き、技術面での内容理解は、その前に受けたトライアルよりもずっとできていたと思います。

しかし、後から見直してみたところ、全然意味が違うというほどではないものの、ぼやっとした訳語をあててしまったところが3カ所ほどありました。
そのうちの1カ所は見直しの段階で気づけそうなものでした。

また、コメントの付け方も問題がありました。
原文はネイティブの英語ではなく分かりにくいところがいくつかあったのでコメントを付けましたが、あまり重要でない部分にも不必要にケチをつけるような書き方になっていたと思います。

このトライアルを提出した後は、見直し時のスキームを練り直しました。
文章校正ソフトを使う他、声に出して読む、原文と対応させて消し込む、などを取り入れることにしました。

また、このトライアル提出後に、その前に提出した会社から不合格通知が届きました。

最初から受かるほど甘くはない、と頭ではわかっていたつもりでしたが、
対訳学習するなかで誤訳の多い公開訳も見ていたため、「あわよくば」という気持ちがどこかにあったのかもしれません。
そんな甘い考えに、不合格通知は結構なショックでした。

今の実力では全然足りない、ということがはっきり分かったところで、
何か自分の訳し方に根本的な問題があるのかもしれないと思い、自分の訳と比較しながら講座ビデオの明細書シリーズを1件見て勉強しました。

アプローチの仕方は身についてきたと思いますが、
・誤訳を防ぐために短く切って訳す訳し方、
・なるべくメモリを再利用できるような用語の登録の仕方、
・コメントをつけるべきところ、
などはまだまだ気づかされる部分がたくさんありました。

これらを意識しながら、また対訳を使った翻訳練習を繰り返しました。

6社目・7社目:トライアル合格と今後の課題

2024年4月に講座の受講を開始し、
「まずは1年以内に特許翻訳者としてトライアルに合格する」という目標を立てていたので、
どうしても次こそは合格しなくては、という気持ちで次のトライアルに望みました。


これまでの反省点を振り返り、課題を受け取ってからどう行動するかイメージトレーニングをして次のトライアルに取り組み、なんとか合格をいただくことができました。
今は契約書を取り交わしている段階です。

単価は10円より少し下のスタートラインですが、メールのやり取りの感じから2社ともきちんとした翻訳会社様だと思われますし、1社からはありがたいことにトライアル訳文へのフィードバックもいただけました。

今後実際のお仕事が来るかどうかがまた問題ですが、いただけるようなら、まずはここでフィードバックを受けながら実務のやり方を覚えて、自分のレベルが上がってきたと感じた段階でまた次のトライアルに挑戦するつもりです。

トライアル合格はもちろん嬉しいです。
ただ、トライアル受験を通して今のレベルはまだまだだということも分かりました。
今のレベルでは実務で苦労するのは目に見えています。

得意分野と言えるところもまだまだ少ないので、まずは目先の実務に対応するために翻訳練習をどんどんやらないといけません。
講座のコンテンツもずっと先があります。
私の場合は会社員と兼業しているので、いかに両立していくかというのも、今後仕事を受けながら考えていかないといけない大きな課題です。

とにかく一つ一つ目の前の課題を潰しながら、引き続き頑張ります。

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うずら
〈レバレッジ特許翻訳講座16期生〉 翻訳とは無関係の会社員生活を送っていたが、30歳になったのを機に「これが最後の進路選択のチャンス」と考え直し、文系出身・翻訳未経験から特許翻訳者への険しい道を進むことを決意。